何もかも嫌になるときがある

 

何もかも上手くいかないときがある。

その度に1人で本を読んで、音楽を聴いて、映画を観て、内側の世界を几帳面に作り直して、乗り越えてきた。

それでも時々、プールの水を一気に抜いたような悲しみがやってくる。

わかっている、世界はそういうサイクルで回っているのだ。

 

何故、こんなにも生きづらいのだろう。

何故、世界はこんなにも間違っているのだろう。

僕が求めているのは、莫大な財産とか、偉大な権力とか、そういうものではない。

それは手を伸ばせば届きそうな、ささやかなもの。

だけど、どれだけ必死に手を伸ばしても、それにはいつも届かない。

 

きっと、生きるための何かが僕には欠けているのだ。

ずっと昔、子供の頃に、それは失われてしまったのだ。

時々、失くしたものの残骸が、僕に語りかけてくる。

僕はそれに耳をすますが、それは言葉になる前に消えていってしまう。

 

手を伸ばしても、耳をすましても、何にも届かない、何も聞こえない。

そんな悲しみが、ときどき僕を覆い尽くす。

いっそすべてを終わらせたいと思う時もある。

今、僕は全ての物事が過ぎていくのをただ待っている。