"僕"とは何か

 今、僕は文章を書いている。

 今、僕が文章を書いている。

 今、タイプして、タイプして、一つのリズムを作り上げている。

 今、今がただ過ぎていく。

 今、僕はそれを見過ごすわけにはいかない。

 今、今、今、

 今、何か別の事を考えた。

 今、また僕が僕でなくなってゆく。

 すべてが溶け合い、一つになろうとしている。

 言葉を超えた次元で、すべてを超えた次元で。

 今、何かが起ころうとしているのだ。

 今、僕はそれを見過ごすわけにはいかない。

 今、また僕はタイプする。

 今、

 今、

 今、

 今、また今が過ぎ去っていく。