2019-01-01から1年間の記事一覧
"走っても疾(はや)過ぎることなく、また遅れることもなく 「世間における一切のものは虚妄である」と知っている修行者は、 この世とかの世とをともに捨て去る。 ――蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである。" - ブッダ 骨董品のような扇風機と27歳の…
僕の父の父は僕が小学校四年生の時に死んだ。悪化した肺がんが心臓にまで侵食してきて、最後は相当な苦痛の中死んでいったらしい。「煙草が吸いたいわけじゃない、煙草をつける火が見たいだけなんだ」そう言いながら父の父はいつも煙草を吸っていた。「火が…
わたしはこの季節になると<そうめん屋>の事をよく思い出す。わたしが幼かった頃、<そうめん屋>は毎日決まった時間にやってきてはそうめんを売っていた。 ”おいしいそうめんあります” それが<そうめん屋>の出していた唯一の看板だった。 几帳面な学者*1…
この広告は90日以上更新の無いブログに表示されます。 広告が全く目に入らない世界、想像できますか?現実離れしたモデル達が宣伝するハイブランドのポスター、老後や病気の不安を煽る生命保険や健康食品のコマーシャル、印象に残れば炎上もオッケーなルール…
フェニバット(Phenibut)は抗不安効果を持つとされるGABAに類似した物質で、GABA受容体アゴニストとして作用する。と自分で書いていて訳がわからないが、要するに脳の関門を通りやすく改良されたGABAであり、ベンゾジアゼピンなどの遠い親戚だと思っていいだ…
サイレンが鳴っている ここはどこだ? 俺は何をしているんだ? 体が重い 地面が硬い アスファルトか? なんで俺はこんなところで寝ているんだ? ―あの人、大丈夫かしら? サイレンが鳴っている 遠くの方から ゆっくり ゆっくり 近づいてきているのか ―病気?…
今日僕は友達と郊外のショッピングモールへ行った。 僕はあまりショッピングモールが好きではない、お店も物も多すぎるし、あまりにも資本主義的すぎる空気感が苦手で、いつからかあまり行かなくなっていた。 何も買うつもりはなかったのでとりあえずぶらぶ…
俺は酔っ払っている猛烈に強烈に壮絶に猥雑に俺はいつからこんな酒浸りになっちまったんだストロングゼロよお前は俺をどこへ連れて行こうというのかお前は俺をとことんまで破滅させるつもりなんだろう俺は雑草のように強くしぶとく生きるくらいならバラのよ…
俺は何かを忘れちまった 何を忘れちまったのかももう忘れちまった でも何かとんでもなく大事なもんだってのはわかってるんだ ただ思い出せないだけなんだ ただ思い出せないだけなんだ そいつは時々俺の頭の中で鈍く疼く 思い出してくれ 思い出してくれってな…
トントントン!トントントン! れいぎ正しくドアをたたく音でさくらは目をさましました。 ねむい目をこすりながらとけいを見るとまだ夜中の3時です。 「こんなじかんにいったいだれかしら それに、ママとパパはなぜ気付かないのかしら」 さくらはふしぎに思…
「その時の衝撃は、とても言葉で言い表せるようなものではありませんでした。私の耳元で誰かが大きな大鼓を打ち鳴らしたような気分で、最初何が起こったのか全くわかりませんでした。しかし、間違いなく、その時、目の前にはAと、 Mがいたんです。それは間違…
久しぶり、元気にしてた? ちょっと、ぼんやりした顔してないで、そうそう、君の事だよ、やっと気づいてくれた? 僕は君に話してるんだよ、最初からずっとね、 最近ちょっと疲れてるんじゃない? 恋愛の事とか、仕事の事とか、それを取り巻くいろんなごちゃ…
今、僕は文章を書いている。 今、僕が文章を書いている。 今、タイプして、タイプして、一つのリズムを作り上げている。 今、今がただ過ぎていく。 今、僕はそれを見過ごすわけにはいかない。 今、今、今、 今、何か別の事を考えた。 今、また僕が僕でなくな…