ボルチモア

「またお前か、何しに来たんだ?ここはお前の来るところじゃねぇんだよ。ここにはお前が欲しがってるようなもんは何も無い、薬も、女も、金も、なんにもねぇよ。わかったらさっさと消えてくれ。俺はもううんざりしてんだよ、お前がここに来てはラリってわけのわからん事を喚き散らしたり、メソメソ泣きながら俺の取っておいたアイスを全部食っちまったり、かと思ったら部屋中引っ掻き回してグチャグチャにしちまったりな。そういう何やかやに付き合わされるのはもうごめんなんだ。わかったらさっさと出てってくれ、そしてもう俺に構わないでくれ。そりゃ最初はよかったよ、あの頃お前は最高に輝いてた、それは認めてやるよ。みんな喉から手が出るほどお前の事を欲しがったんだ。今でもまだきっとそうなのかもしれん。でもな、もういいんだ、お前の事はもう忘れたいんだ俺は。お前は俺をめちゃくちゃにしただけだ。お前がやって来たって、後にはなんにも残りゃしなかった。見てみろ、草木一本も生えやしねぇ。ひでぇもんだよ。お前がやったんだぜ?信じられるか?何度も言わせんなよ、終いには俺はお前を殺しちまうかもしれねぇんだ。今だってお前をぶん殴りたい気持ちを抑え込むので精一杯なんだよ。頼むよ、頼むから消えてくれ。お前はきっと明日も明後日もやってくるだろう。性懲りもなく、何度も何度も。お前に悪気は無いのはわかってる、でももう限界なんだよ。眠らせてくれ。なぁ、お願いだよ、一晩だけでいいんだ、ぐっすり眠らせてくれりゃもう何も言わねぇよ。頼むよ。」