DXMというサイケデリックス コンタックST

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 サイケデリックス(幻覚剤)とひとくちに言っても、実に様々な種類がある、60年代フラワームーブメントやサイケデリック・ロックなどカウンターカルチャーの火付け役となったLSDサイケデリックスの代表格である。その他にも、南米のシャーマンが儀式の際に用いるアヤワスカや医療用麻酔薬であるケタミンなども、深遠な精神の扉を開く手助けをしてくれるツールとして、あるいは単にレクリエーション目的に用いられている。

 DXM(デキストロメトルファン)はコデインエフェドリンの代わりに鎮咳去痰薬として使用される薬物で、大量に摂取すると幻覚作用が現れる。日本ではコンタックSTという咳止め薬などに配合されている。乱用目的で使用するならコンタックSTを選ぼう。余計な成分が配合されていないので安心して使用できる。僕も何度かコンタックSTでトリップを体験したことがある。

 コンタックSTは徐放性製剤なので効果が現れるまで4-5時間ほど待たねばならない。そのため何カプセルか追加しながら適量を見定めるという使い方が非常に難しい。なので摂取量については特に注意が必要となる。耐性が非常につきやすいという特性もあるので、日常的な使用には向いていない。一度トリップしたら、最低でも2週間から1ヶ月くらいは耐性が抜けるのを待たねばならない。

 初めてコンタックSTを摂取するなら6カプセル(DXM換算で180mg)くらいから始めるのが良いだろう。せっかちな人でも12カプセル(360mg)くらいまでを限度にして使用するのをおすすめする。効果は半日から長い時には丸1日続くこともあるので、体調や周囲の環境はできるだけ万全の状態にしておこう。摂取して数時間は吐き気との闘いだ、ナウゼリンなどの吐き気止めを用意できるのなら一番良いが、用意できないならできるだけ空腹の時に飲もう。コンタックSTのカプセルは口の中や喉に貼りつく気持ち悪い感触があり、カプセルもそれなりに大きいので、余計吐き気を増幅させる。飲むヨーグルトはこの貼りつく感覚を程よく抑えてくれ、独特の風味も消せるのでおすすめだ。

 DXMは日本国内の合法ドラッグの中ではおそらく一番音楽との相性が良いドラッグだ。効果が現れてきたと感じたら是非ヘッドフォンではなくスピーカーから、できるだけ大きな音量で好きな音楽を鑑賞してみて欲しい。音楽の展開や雰囲気に合わせて独特のビジョンが現れるのを感じられるはずだ。

 僕はDXMを摂取した状態でテーム・インパラを聴くのが好きだ。テーム・インパラは近年のサイケデリック・ロックシーンでも一際異彩を放つバンドだ。次々と変化する音風景に意識を一気に持っていかれる。ぐるぐると極彩色に変化する音とビジョンに身を任せていると、まるで自分が純粋な意識として世界中を漂っているような新鮮な心地良さを覚える。

 DXMが効いている間は、体をまともに動かすのが困難になり、第三者から見ると怪しさ満点なので、できるだけ人目に付くような行動は避けよう。DXMによるトリップ時の独特な動きはまるで自分がロボットになってしまったかのような感覚で、これはこれで楽しい。が、この薬の効果を感じたいならじっとしているのが一番だ。音楽を聞いてもいいし、その独特なビジョンや今まで感じたことのない新たな感覚を頼りに考え事に耽ってみるのもいいかもしれない。僕は目を閉じてじっとしている時、氷山とジャングルが表裏一体である事を知った。

 

※2018年3月追記、コンタックSTは現在新コンタックせき止めダブル持続性という名前で売られています。

 

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※2018年3月、小説の形で僕の臨死体験をまとめました。よかったら読んでみてください。

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