"Sizzurp"という海外で流行しているコデインカクテルについて

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 先日はブロンについて少し書いた。ブロンは日本で流行している咳止め薬だが、海外でも咳止めシロップをレクリエーション目的で使用するのはごく当たり前の事のようだ。今回は海外のヒップホップシーンなどでよく耳にする"Sizzurp"について書きたいと思う。

 Sizzurp(スィズアープ)は、濃い紫色をした咳止めシロップをスプライトなどの炭酸飲料で割ったカクテル状のドラッグだ。キャンディを入れる事もあるようだ。主な有効成分はコデインで、効果はブロンとほとんど同じだと思っていいだろう。その鮮やかな紫色はいかにも怪しげな雰囲気で、ブラックライトやレーザーの飛び交うクラブ内でよく映えそうだ。日本が誇るエスエスブロン錠の外箱も紫色なのだが、コデイン=紫というのは何か法則のようなものがあるのだろうか。

 スィズアープの面白いところは、音楽シーンとの関わりが深く、ファッショナブルな進化を遂げている部分にある。日本ではパーティシーンでブロンを飲むのはいささか時代遅れな印象を覚えるが、アメリカだとどうやら様子が違うようだ。その証拠に人気ラッパーのリル・ウェインはスィズアープの愛用者らしい。

 スィズアープは通常「ダブルカップ」と呼ばれる白くて大きなプラスチック製の容器で作られる、このカップにステッカーを貼ったりしてオリジナリティを演出する者もいるようだ。今は亡きDJラシャドが「ダブルカップ」というアルバムを何年か前にリリースし、各方面から高い評価を受けた。スィズアープの音楽シーンとの関連性が見て取れる。

 しかし、何故音楽シーンでスィズアープが支持されるのか、いまいち理由がわからない。コデインには聴覚に与える影響がほとんど無いし、ダウナーな効きは音楽制作には不向きだからだ。何故だろう、と考えていたらあることに気付いた。それは、必ずしもスィズアープは単体で使用されるとは限らない(他のドラッグと組み合わせて使用する)という事だ。特に大麻やコカインなどは組み合わせて使用される確率が高そうだ。ご存知の通りアメリカは大麻先進国、ラッパー達がスィズアープと大麻を組み合わせてトリップしていたとしてもなんら不思議はない。何故記事を書いている途中まで気付かなかったのだろう。

 試しに海外のフォーラム(掲示板)で大麻コデインの組み合わせを試した人のレポートを調べてみた。その結果、この組み合わせを体験した多くの人々が、非常な満足感を覚えたと述べている。なるほど、大麻と組み合わせるのか。確かにかなり気持ちよさそうな組み合わせである。

 音楽とドラッグは切っても切れない仲だ。新たなドラッグが流行すればそのドラッグに合う、またはそのトリップを表現した音楽が生まれ、それが結果的に技術や方法論の革新に繋がる。もちろん全ての音楽がそうではないが。

 

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※7/09追記 リンクしていた動画が削除されていたので別の動画に貼り替えました。

 

 

※2018年3月、小説の形で僕の臨死体験をまとめました。よかったら読んでみてください。

thriftbox.hatenablog.com